インタビュー ①

「そうそう。こんなこともありましたね」

私がまだ若かった頃ですよ。覚えてますよ。当時、私は建設関係の会社に勤めてましてね。仕事で保育園が入っていたあのビルにはしばしば行ってました。ビルは明治通りに面して奥行きが長い形であったんですよ。で、保育園は2階の代々木駅寄りの方、3分の2くらいを占めていたでしょうかね。保育園専用の外階段がありましてね、親たちも子どもたちも外階段から直接2階の保育園に出入りするようになってましたね。

保育園の下の階は印刷工場でした。当時の印刷機ですから、ガチャンコ―、ガチャンコ―ってにぎやかな音がするんですけどね、2階では子どもたちがお昼寝もしてたんですよ。たくましいですよね。

そうそう。子どもたちは元気ですからね、こんなことがありました。2階の保育室で子どもが水の入ったバケツでもひっくり返しちゃったんでしょうかね。水が床に流れ出ちゃったんですよ。保育園の床は木でしたから、水は木の継ぎ目から下に落ちていくわけです。1階の印刷工場では、突如、天井から水がポタポタ‥‥って降ってきた。刷り上がって、納品を待って置かれていた印刷物が水でビチャビチャになっちゃったんです。

さあ、大変。これじゃ、持っていけないってわけです。結局、納品を遅らせてもらって、刷り直しをして‥‥と、なんとか収めたんですけどね、園長先生も、この時はだいぶ怒られたみたいですよ。みんな、とにかく一生懸命やっていた。そんな時代だったんですよね。なつかしいですね。

(現在は設備会社会長の平沼荘司氏 談)