メニュー とじる

保育と子育てQ&A
文責:子育て伴走ポッポチーム

Question 4
保育園では教育はしないの?
2021年11月
 幼稚園は教育機関で保育園は遊ばせるところ。もしかしたら、そんなふうに思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。確かに幼稚園は学校教育法の下にあり、保育園は児童福祉法の下にあり、所管の省庁も文科省と厚労省という違いがあります。保育園には教育がないのかなと思う方がいらしても、無理はないのかもしれません。

でも、幼児期の子どもたちはみな同じ成育期にあります。保育園の子どもも幼稚園の子どもも成育のために必要とされることや望まれる環境は基本的に同じです。違うのは保護者の就労等で長時間の保育を必要としているか、そうでないかということだけですよね。

 幼稚園には幼稚園教育要領というものがあり、保育園には保育所保育指針というものがあります。これはそれぞれ教育・保育の理念や基準を示したものですが、幼稚園の教育要領も保育園の保育指針も、幼児の育ちに関わる部分は基本的には同じ内容になるように作成されています。改定がされる場合も、幼稚園教育要領が改定されるときは、保育所保育指針も改定‥‥と、いつも仲良く改定です。

さらに詳しく言えば、保育園の「保育」という言葉は、「養護」と「教育」の二つの内容を合わせたものとして位置付けられています。つまり、保育園の保育には「教育」がないのではなく、保育を通して「養護」と「教育」が合わせ行なわれているということです。

保育園は子どもたちが長い時間をそこで過ごすので、食事や排せつ、午睡など、子どもの生理に基づく生活があり、健康に関わる部分があります。そこで「養護」が必要になるのですが、食事や排せつなどの生活のなかにも実は「教育」がいろいろな形でいっぱい入っています。つまり、実際には、生活の中でも遊びの中でも子どもたちは学んでいるのです。

そして保育士たちは、保育の専門性をもって、子どもたちが目を輝かせながら、生活や遊びの中でさまざまな学びを得ていくように、日々研究・検討をし、子どもたちとともに内容豊かな毎日を創り出しているというわけです。

日々の散歩や食事や遊びのなかで子どもたちがどのような発見をしているのか、どのような学びをしているのか、保育園に入ったら、ぜひ保育士に聞いてみてください。きっと子どもたちの面白い「学びの物語」を、いっぱい聞くことができると思いますよ。
もどる